ウィークリーマンションとは|メリット・デメリットと契約方法も
数日間・数週間にかけて出張する場合、ホテルを利用するとコストがかかってしまいます。賃貸マンションを契約する方法もありますが、家具家電の購入費や退去時の費用を考えると最適な方法とは言えません。
このような一定期間の滞在に役立つサービスが、ウィークリーマンションです。引っ越しの費用や手間もかけずに済むため、短期滞在をしたい場合はウィークリーマンションの利用を検討してみましょう。
今回は、ウィークリーマンションの概要を解説します。料金システムや契約方法、利用時の注意点も併せて解説するため、ウィークリーマンションの利用を考えている人は参考にしてください。
1.ウィークリーマンションとは?
ウィークリーマンションとは、賃貸住宅(マンション)を1週間単位で借りることができるサービスです。「ウィークリー」と名がつくものの、旅館業法の改正および民泊新法(住宅宿泊事業法)施行にともない、1日のみの利用も可能となりました。
類似のサービスにはマンスリーマンションが存在します。基本的に30日からの利用が条件となる点を除くと、ウィークリーマンションとの大きな違いはありません。
一棟すべてがウィークリーマンション等として貸し出されている場合の他、マンションの一部のみを貸し出しているケース等、物件の種類はさまざまです。
1-1.料金システム
ウィークリーマンションを利用する場合、敷金・礼金・仲介手数料は発生しないことがほとんどです。料金は利用日数に応じた金額を支払うのみで、以下のとおり計算します。
料金=1日分の賃料×利用日数+退去時の清掃費
不動産会社によっては、上記の他に以下の料金が加わることもあります。
- 契約手数料
- 管理費
- オプション料
- 週1回の清掃費
- リネンの交換費
オプションには洗剤や掃除用品の準備等があります。
料金システムは契約先ごとに異なるため、必ず確認しましょう。
たとえばインターネット環境が無料な物件もあれば、光熱費が賃料に含まれている場合もあります。
2.ウィークリーマンションのメリット・デメリット
ウィークリーマンションをトラブルなく利用するために、メリットはもちろんデメリットも理解しておきましょう。ここでは、ウィークリーマンションを利用するメリットとデメリットを解説します。
まず、ウィークリーマンションを利用するメリットは以下のとおりです。
〇メリット
- 家具家電の設備が整っているため炊事洗濯が可能
- 自宅のようにリラックスできる環境
- 入居時も退去時も引っ越し作業が不要
- ホテルよりも利用料が安い
- 自由に人を呼ぶことができる
- 入居手続きがスムーズに終わる
家具家電が揃っていることから、ウィークリーマンションでは自宅と大差のない生活が送れます。炊事洗濯ができるため、食事に気を遣っている人も安心して長期利用が可能です。
1週間単位で加算される料金には、水道光熱費やインターネット料金が含まれている物件も多く、家具家電の充実度を含めるとホテル以上に安価となります。
また、ホテルと異なり来客のたびにフロントを通す必要がありません。自由に家族やお客様を呼ぶことができ、入居時の手続きも容易です。
一方、ウィークリーマンションの利用には以下にあげるデメリットもあるため、契約する物件は慎重に選びましょう。
〇デメリット
- 清掃等のサービスは利用できないところも多い
- 掃除や炊事等は自分自身で行う必要がある
- ゴミ出し等物件ごとのルールがある
- 滞在期間が長期化するとコストがかかる
- 途中解約の場合は残りの期間分の賃料が返金されない
- 必ずしも延泊が可能とは限らない
料金内にルームクリーニング(清掃)料が含まれている場合を除くと、室内の清掃や消耗品の補充等は自分自身で行わなければなりません。炊事やゴミ出しも行い、地域ごとにルールが定められている場合は従う必要があります。
料金重視で利用を検討している人は、契約日数によっては一般的なビジネスホテルよりもコストが高くなりかねない点に注意しましょう。事前に地域のホテル料金と比較することをおすすめします。
また、賃料の返金に関する規約もあらかじめ確認しておくべきポイントです。やむを得ず途中解約となった場合、残りの期間分の賃料が返金されないケースも珍しくありません。
指定日までに申し出た場合は返金可能なところも存在するため、申し出る期限や手続き方法を確認してください。
延泊を希望する場合も、予約状況によっては断られることがあります。
退出日直前ではなく、滞在期間の延長が決まったときに申し出るようにしましょう。
3.ウィークリーマンションの契約方法
短期滞在を目的としているため、ウィークリーマンションの契約時は保証人を求めないところが多くなります。手続き自体も簡易的で、提出する書類は以下にあげる書類のみです。
- 入居申込書(運営会社ごとに異なる)
- 契約書(定期借家契約書等)
- 本人確認書類
- 住民票(原本)
- 収入証明書
保証人を求める物件の場合は、上記に加え保証人の身分証明書のコピーや印鑑証明書等が必要となります。
インターネット上で手続きを進められるウィークリーマンションの中には、上記にあげた書類の提出を求めないところもあり、手続き内容は多様です。
〇ウィークリーマンションの契約方法
契約したい物件を見つけた後は、以下の流れで契約します。
- 空室確認と予約
- 必要書類の提出
- 料金の支払い
- 鍵の受け渡し、入居
予約はインターネットや電話で受け付けているところが多く、空室確認も可能です。電話のほうが空室確認を行いやすいうえ、気になる点を確認できるメリットがあります。契約前に物件の詳細を知りたい人は、見学可能な場合もあるため担当者へ相談しみましょう。
短期契約の人は必要書類の提出がなく、身分証明書の提示のみが求められることも少なくありません。長期利用の場合は、ウィークリーマンションであっても保証人が必要となります。
料金は、基本的に予約内容に応じた料金を前払いで支払います。後払い方式の場合も、一時金や保証金として事前に支払わなくてはなりません。
入居当日は、物件のフロントもしくは運営会社にて鍵の受け渡しが行われます。
4.ウィークリーマンションを利用する際の注意点
ウィークリーマンションの利用には、通常の賃貸住宅を借りる場合やホテルに宿泊するときとは異なる注意点があります。不要なトラブルを生まないためにも、マナー良く利用しましょう。
ここでは、ウィークリーマンションを利用するうえで押さえておくべき2つの注意点を解説します。
4-1.入居中に室内の備品を破損した場合は自己負担する必要がある
故意あるいは過失によって室内の備品等を破損した場合は、入居者の負担で現状回復させなければなりません。例としてタバコの火の不始末や排水管のつまりによる浸水、床や壁のカビ・汚れ等があげられます。
損害状況によっては大がかりなリフォームや修繕が必要となるため、負担額も高額になりかねません。備品はもちろん、部屋自体も丁寧に使うよう心掛けましょう。
トラブル時における責任の所在については、契約時の書類に記載されていることが一般的です。入居時に読み込み、破損時の対処法もあらかじめ確認してください。
4-2.単身者用物件に2人以上で入居すると別途料金がかかる
ウィークリーマンションとして貸し出されている部屋の中には、単身者専用の物件も含まれています。2人以上で無断入居することのないよう、複数名で利用するときは必ず担当者へ利用予定人数を伝えてください。
仮に無断で単身者用の部屋に入居していたことが発覚すると、当初の利用料金とは別に請求される可能性があります。
まとめ
今回は、ウィークリーマンションの概要に関して、料金システム・契約方法・利用時の注意点等を解説しました。
ウィークリーマンションとマンスリーマンションの違いは、想定されている利用期間が異なる程度です。いずれも家具家電が備え付けられているため、出張や単身赴任中も自宅のようにリラックスできます。
利用するうえでは、ゴミ出しのルールや利用人数の条件等、入居先ごとの注意点は必ず確認しておきましょう。契約方法や必要書類、家賃等の料金システムも運営会社によって細かな部分が異なるため、予約時は必ず条件や規約を確認することが大切です。